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#11|セキュリティ製品を入れても事故が起きる理由

セキュリティ製品を導入しているのに、なぜ事故は起きるのでしょうか。中小企業のセキュリティを分かりやすく解説し、ランサムウェア攻撃などの被害につながる設定・運用上の盲点と、製品を活かすためのポイントを紹介します。
セキュリティ製品を入れても事故が起きるのはなぜ?
セキュリティ製品を導入しているにもかかわらず、情報漏えいやマルウェア感染などの事故が発生する企業は少なくありません。製品にはそれぞれ得意な役割があり、導入しただけですべてのリスクをなくせるわけではありません。重要なのは、製品が適切に設定され、必要な情報を検知し、その情報をもとに適切な判断や対応につなげられる状態を維持することです。
「導入済み」なのに事故が起きる企業に共通すること
セキュリティ製品を導入していても、設定や運用が適切でなければ、本来期待した効果を発揮できない場合があります。例えば、導入後に設定を見直していない、警告が出ていても確認できていない、保護対象から端末が外れているといった状態です。「何を導入しているか」だけでなく、「現在きちんと機能しているか」を確認することが重要です。
セキュリティ製品は「事故をゼロにするもの」ではない
セキュリティ製品は、脅威の検知や不正な通信の遮断など、特定の役割を担うためのものです。しかし、攻撃手法は変化し続けており、すべての攻撃を完全に防げる製品はありません。また、製品が異常を検知しても、その後の確認や対応が遅れれば被害につながる可能性があります。製品の導入と、事故を防ぐ仕組みは分けて考える必要があります。
問題は製品ではなく「使われ方」にある
同じセキュリティ製品を導入していても、設定や運用方法によって得られる効果は変わります。導入後に設定を確認していなかったり、通知を受け取っても誰も確認していなかったりすれば、製品が持つ機能を十分に活用できません。製品選びだけに注目するのではなく、「導入後にどう管理し、どう判断するのか」まで含めて考えることが大切です。
セキュリティ製品があっても事故につながる5つの原因
セキュリティ製品が導入されていても、事故につながる原因は製品そのものだけではありません。設定の不備や保護対象の漏れ、アラートの見落としなど、運用上の小さな問題が積み重なることでリスクが高まります。特に担当者が他の業務と兼務している企業では、日々の確認が後回しになりやすいため注意が必要です。
①設定が初期状態のままになっている
セキュリティ製品は、導入時の設定が自社の環境に最適とは限りません。初期設定のまま運用していると、自社で必要な検知ができなかったり、逆に不要な通知が増えたりする可能性があります。さらに、組織やシステム環境が変わっても設定を見直さなければ、現在の環境と対策内容にズレが生じます。導入後も定期的な確認が必要です。
②自社の環境に合わない設定になっている
企業ごとに利用するシステムや端末、ネットワーク環境は異なります。そのため、他社と同じ設定をそのまま適用すれば十分とは限りません。業務上必要な通信を妨げないようにしながら、リスクの高い動作を適切に検知できる状態をつくる必要があります。自社の環境を把握したうえで、設定が適切か確認することが重要です。
③検知した情報を「重要な異常」と判断できない
セキュリティ製品が異常を検知しても、その情報がすべて同じ重要度とは限りません。大量の通知の中から、本当に注意すべきものを判断するには一定の知識や経験が必要です。判断に時間がかかったり、「よく分からない通知」として放置されたりすると、異常への対応が遅れる可能性があります。検知だけでなく、判断まで考えることが重要です。
④複数の製品が別々に動いていて全体像が見えない
UTMや端末向けのセキュリティ製品など、複数の対策を組み合わせる企業も増えています。一方で、それぞれの製品から別々に通知が届くと、何が起きているのか全体像を把握しにくくなることがあります。一つひとつの製品が正常に動作していても、情報が分断されていれば重要な兆候を見落とす可能性があります。
⑤製品の状態を確認する仕組みがない
セキュリティ製品は、一度導入したら自動的に永続して安全を守ってくれるわけではありません。端末が保護対象から外れていないか、設定に問題がないか、警告が発生していないかなどを確認する必要があります。しかし、確認作業を担当者の気づきや経験だけに頼ると、忙しい時期には後回しになりがちです。継続的に状態を確認できる仕組みが必要です。
「検知できる」と「事故を防げる」は同じではない
セキュリティ製品の導入を検討するとき、「何を検知できるか」は重要な判断材料です。しかし、検知できることと、実際に事故を防げることは同じではありません。異常を検知した後に、誰が内容を確認し、どのような対応をするのかまで決まっていなければ、せっかくの検知機能を十分に活かせない可能性があります。
セキュリティ製品が検知しても被害につながるケース
例えば、端末上で不審な動作が検知されたとしても、担当者が通知を確認できなければ、そのまま利用が続く可能性があります。また、通知を確認しても重要度を判断できず、対応を先送りしてしまうケースも考えられます。製品が異常を捉えていることと、企業として適切な対応ができていることは別の問題です。
アラートの数が多いほど重要な情報が埋もれる
セキュリティ製品は、さまざまな異常や注意事項を通知します。通知が多い環境では、一つひとつを担当者が確認することが難しくなり、本当に重要なアラートが埋もれてしまうことがあります。「通知が届いているから安心」ではなく、重要な情報を見分けられる状態にすることが大切です。
検知後の判断が遅れると被害が拡大する
セキュリティ事故では、異常を発見した後の初動も重要です。例えば、不審な端末をネットワークから切り離す、関係者へ連絡するなど、状況に応じた対応が必要になる場合があります。判断に時間がかかれば、その間に被害が広がる可能性があります。検知機能だけでなく、検知後にどう動くかまで準備しておくことが重要です。
「防ぐ」だけでなく「気づく・止める」まで考える
セキュリティ対策では、攻撃を防ぐことだけに意識が向きがちです。しかし、すべての脅威を完全に防ぐことは難しいため、異常に早く気づき、被害が広がる前に対応する視点も欠かせません。「防ぐ・気づく・止める」という流れを意識することで、製品をより実効性のある対策につなげられます。
セキュリティ製品の効果を発揮させるために確認したいこと
すでにセキュリティ製品を導入している企業では、新しい製品を追加する前に、現在の環境を確認することが重要です。設定や保護対象、警告の有無などを確認することで、今の対策で足りている部分と、見直すべき部分が見えてきます。製品を増やすことだけが対策強化ではありません。
現在の設定が自社の環境に合っているか
導入時には適切だった設定でも、業務内容やシステム環境が変われば見直しが必要になる場合があります。新しい端末やシステムを追加した際に、セキュリティ設定が適切に反映されているかも確認が必要です。現在の利用環境と設定内容にズレがないか、定期的に確認することが重要です。
保護対象から外れている端末がないか
セキュリティ製品を導入していても、すべての端末が保護されているとは限りません。新しく追加した端末や入れ替えた端末が登録されていない場合、意図せず保護の対象外になっている可能性があります。端末の台数や利用状況と、実際に保護されている端末を定期的に照合することが重要です。
警告やエラーを放置していないか
セキュリティ製品から警告やエラーが表示されていても、業務への影響がなければ後回しにしてしまうことがあります。しかし、警告の内容によっては、保護機能が正常に動作していない可能性もあります。重要度を判断できる担当者が確認し、必要な対応を早めに行える状態を整えておくことが大切です。
製品同士の役割が重複・分断していないか
複数のセキュリティ製品を導入する場合、それぞれの役割を整理しておく必要があります。似た機能を持つ製品を重ねることで管理が複雑になったり、反対に必要な領域が抜け落ちたりする可能性があります。「どの製品が、何を守り、何を検知するのか」を整理しておくことで、対策全体を把握しやすくなります。
異常が起きたときの判断基準が明確になっているか
異常を検知した際、「誰が」「何を見て」「どのように判断するのか」が決まっているでしょうか。担当者がその都度判断する状態では、対応に時間がかかる可能性があります。すべてのケースを細かく決める必要はありませんが、緊急度の高い事象については、連絡先や対応方法をあらかじめ整理しておくことが重要です。
製品を増やす前に「今ある対策」を見直す
セキュリティ対策に不安を感じると、新しい製品の導入を検討したくなります。しかし、現在導入している製品が十分に活用されていなければ、新しい製品を追加しても管理負担が増えるだけになる可能性があります。まずは現在の対策がどのように機能しているのかを確認し、足りない部分を明確にすることが重要です。
新しい製品を追加するだけでは管理が複雑になる
製品を増やせば、それだけでセキュリティレベルが高まるとは限りません。製品ごとに管理画面や通知方法が異なれば、確認する場所が増え、担当者の負担も大きくなります。特に少人数でIT管理を行う企業では、管理できないほど仕組みを複雑にしないことが重要です。必要な対策を整理して導入することが求められます。
導入済み製品の設定・状態を確認する
新しい製品を探す前に、現在使っている製品が本来の機能を発揮できているか確認してみましょう。設定内容や保護対象、ライセンスの状態、警告の有無などを確認することで、改善すべきポイントが見つかることがあります。導入済みの製品を正しく活用することも、重要なセキュリティ対策の一つです。
「何を検知できるか」を整理する
セキュリティ製品には、それぞれ得意とする検知対象があります。ネットワーク上の通信を確認するもの、端末上の挙動を確認するものなど、役割はさまざまです。自社で導入している製品が「何を見ているのか」を整理すれば、対策できている範囲と、まだ見えていない範囲を把握しやすくなります。
「検知した後に誰が判断するか」を決める
検知機能を活かすには、その後の判断を担う人や仕組みも必要です。担当者が一人で抱えている場合、通常業務の状況によって対応が遅れる可能性があります。重要な通知を誰が確認し、必要に応じて誰へ相談するのかをあらかじめ決めておくことで、異常発生時にも対応しやすくなります。
セキュリティ対策は「製品」から「仕組み」へ
セキュリティ対策を考えるとき、どの製品を導入するかに目が向きがちです。しかし、本当に重要なのは、導入した製品を継続的に機能させ、異常を発見した際に対応できる仕組みです。製品、設定、監視、判断を個別に考えるのではなく、一連の流れとして捉えることで、対策の抜け漏れを確認しやすくなります。
製品・設定・監視・判断を一つの仕組みとして考える
セキュリティ製品を導入するだけでなく、「適切に設定されているか」「正常に動いているか」「異常を誰が確認するか」「問題があった場合にどう対応するか」まで考えることが重要です。これらがつながって初めて、製品の機能を企業のセキュリティ対策として活かせます。製品単体ではなく、全体の流れを見ることが大切です。
担当者の経験や勘だけに頼らない
少人数の企業では、特定の担当者の知識や経験に頼ってセキュリティ運用を行っているケースがあります。しかし、その担当者が不在になった場合や、判断が難しい事象が発生した場合には対応が滞る可能性があります。誰が担当しても一定の対応ができるよう、確認方法や判断基準を整理しておくことが重要です。
セキュリティの状態を継続的に確認できる仕組みをつくる
セキュリティ環境は、端末の追加やシステム変更などによって変化します。そのため、導入時に問題がなくても、時間が経つにつれて新たなリスクが生じる可能性があります。定期的に状態を確認し、必要に応じて設定や運用を見直せる仕組みをつくることで、セキュリティ対策を一時的なものではなく、継続的な取り組みにできます。
まとめ|セキュリティ製品は「入れる」だけでなく「活かす」ことが重要
セキュリティ製品を導入することは重要ですが、それだけで事故を防げるわけではありません。設定が適切か、すべての端末が保護されているか、通知を確認できているか、異常時に判断・対応できるかなど、導入後の状態まで確認する必要があります。大切なのは「何を入れたか」ではなく、「導入した対策が継続して機能しているか」です。
「導入済み」から「機能している」状態へ
「UTMを導入している」「セキュリティソフトを入れている」という状態は、対策のスタート地点です。そこから、設定や保護状況を確認し、検知した情報を適切な対応につなげることで、初めて製品の効果を活かせます。現在の対策を一度見直し、「導入済み」から「機能している」状態へ変えていくことが重要です。
セキュリティ製品を活かした運用をNDS MSSで
セキュリティ製品を導入するだけでなく、日々の監視や運用まで含めて対策を考えることが重要です。NDS MSSでは、中小企業のセキュリティ対策を支援するサービスとして、ネットワークやエンドポイントのセキュリティ対策に加え、継続的な運用を支援しています。セキュリティ製品を導入しているものの、十分に活用できているか分からない場合や、運用まで含めた対策を検討したい場合の選択肢として活用できます。
セキュリティ製品の導入だけでなく、自社に必要な対策や運用方法を見直したい方は、NDS MSSのサービス内容をご確認ください。